Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Leggi 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.947 caratteri · 114 schermate
つまりは年はとっていながらいつまでも幼稚なせいかもしれない。
東京へ東京へ、若い人がよく出てきたがる。むりもない。スキヤ橋から銀座へかけての夜景など、この大都会は色キチガイのようである。そんな夕も万を超える勤労者大衆が、日比谷で反政府のどよめきをあげ、警視庁の黒いトラックがお濠ばたに列をなしていた。ある娘さんを思いとまらせるために、
鶯やこの東京へ何をしに
と書いてやったが、あとできけば、その子もいなかへは帰らなかった。
近来、じつに会が多い。
出版記念会、受賞祝いの会、追悼会。吉日にはまた結婚式などもかさなり合う。そのてん、うちの近所にいる文六先生(獅子)はてっていしている。どこへも出ない。だが小心よくよくな私は、ついあの会へ出てこの会に行かなくては、などとひとりぎめな心を労して顔を出すと、「やあ、ゆうべもでしたね」と、毎晩の顔に、お互いのカクテル・グラスを苦笑し合うばかりになる。ひどいやつは池島信平であった。「やあ、よくおつとめですな、婆芸者のように」と、わたしへ言った。その会は、文春の直木賞受賞者の戸板康二さんのお祝いの会なのだった。じぶんの社でこういう現象の因をつくっておきながら、そんな白々しい嘯きをしているのである。