Classici giapponesi con furigana
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おんぼうぼり
隠亡堀
国枝 史郎
Leggi 隠亡堀 (おんぼうぼり) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4455 caratteri · 10 schermate
「へえ、もう一つ、聞かして下せえ」
「好む所に応ずるのよ」
「あっさりしていて解らねえ」
「いいか、お袖へ斯う云うのさ。敵を目付けた其上に、助太刀ぐらいはしてやるから、俺の云うことを聞くがいいとな」
「成程、大きに可いかも知れねえ」
「逆応用という奴さ」
「今夜あたり遣っ付けるか」
「ところで何うだ、稼業の方は?」
「今年は何うやら鰻奴が、上方の方へでも引っ越したらしい。何処を漁っても獲物がねえ」
「じゃあ随分貧的だろう?」
「顔色を見てくれ、艶があるかね」
「お袖は何うだ? 顔の艶は?」
「それがさ、俺よりもう一つ悪い」
「つまり栄養不良だな」
「商売物だけは食わせられねえ」
「今夜だけ其奴を食わせてやれ」
「え、鰻をかい? 今夜だけね?」
「そうさ、精力が無かったら、色気の方だって起こるめえ」
「うん、こいつぁ金言だ」
「それ、金言という奴は、行う所に値打がある」
「よしよし今夜だけ食わせてやろう」
「そうだ、其処だよ、今夜だけだ。明日になったら麦飯をやんな」
「麦飯なら毎日食っている」
「おお然うか、そいつぁ不可ねえ。豆腐のからでも食わせるがいい」伊右衛門は此処でニヤリとした。「一旦手中に入れたからは、女は虐めて虐め抜くに限る。