Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すずめこ

雀こ

太宰 治

Leggi 雀こ (すずめこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2340 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

いつでもタキは、一ばん先に欲しがられるのだずおん。いつでもマロサマは、おしめにのこされるのだずおん。

タキ、よろずよやの一人あねこで、うって勢よく育ったのだずおん。誰にかても負けたことねんだとせえ。冬、どした恐ろしない雪の日でも、くるめんば被らねで、千成の林檎こよりも赤え頬ぺたこ吹きさらし、どこさでも行けたのだずおん。マロサマ、たかまどのお寺の坊主こで、からだつきこ細くてかそぺないはでし、みんなみんな、やしめていたのだずおん。

さきほどよりし、マロサマ、着物ばはだけて、歌っていたずおん。

――雀、雀、雀こ欲うし。雀、雀、雀こ欲うし。

不憫げらに、これで二度も、売えのこりになっていたのだずおん。

――どの雀、欲うし?

――なかの雀こ欲うし。

タキこと欲しがるのだずおん。なかの雀このタキ、野火の黄色え黄色え焔ごしに、悪だまなくこでマロサマば睨めたずおん。

マロサマ、おっとらとした声こで、また歌ったずおん。

――なかの雀こ欲うし。

タキは、わらわさ、なにやらし、こちょこちょと言うつけたずおん。わらわ、それ聞き、にくらにくらて笑い笑い、歌ったのだずおん。