Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
ね、三百二十円だよ。郵便局へもってかないでよかったね。これみんなあげるよ。」
その時にも思わず涙を浮べた兵六さんであったが、それだけの金では話にならない。ままよとくぐったなわのれんは小気の兵六さんをすっかりいい気持に酔わせ、女房が何でエー! と猫背をのばして外に出たのだが、とたんに走ってきた自転車につきとばされてしまった。ぎゃあっというような悲鳴をあげてぶったおれたあとが、大げさな戸板さわぎになってしまったのだ。兵六さんとしても思いがけないなりゆきだった。それなのに二三子は容赦なくいう。
「鼻血出して戸板だってさ。ばかばかしいったら。これがわが父親かと思うと情けないわよ。」
おせいはおせいで翌朝になってもまだ手をゆるめずに、ねまの中から夫を責め立てた。
「よくもまあ、身のほども考えずに一ぱいのんだりするわね。男ってほんとに、働きがなくなってものみたいんだからね。一たいそんな金、どこにあったの。まさか、お安さんにかりて知らん顔してるわけじゃないでしょうね。」
「そうなら、どうだっていうんだ。」
「どうもいやしないわよ。出しなさいよ。」
「お安さんは、留守だったっていったじゃないか。