Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
ところがよく聞くと、彼はその米を買いとってくれといっているのだ。
「買うも買わないもあんた、いらなきゃうちでとりますよ。どうせやみ米買うんだから。」
音枝にすれば、すむもすまないもない。袋も代金も立替なのだから、いらなきゃそのままもってくればよいと思う。ところが進君の考えは、大分ちがっている。彼はまた耳のうしろをかきかき、
「あのう、わるいんですけど、その、やみ値で買ってください。おねがいします。」
困ってるんだなと察した音枝は、しかし一キロの米をやみ値にして、こっちの立替分をさしひけば彼のもうけはたばこ一つにもやっとなのに気がつき、かわいそうに思って、
「進さん、百円位なら貸してあげますよ。お米もとっときなさいよ。」
ところが更に進君は思いがけないことをいった。買ってもらいたい米は五升だというのだ。最近彼は、週二回の家庭教師の口が二つになり、それで七日の中四日はそこで夕食をごちそうになるから、米はだんだんたまる一方だという。それにしても、みみっちいとひそかに思いながら、彼の貧しさも知っているので、米がくるならと、彼女はひとりぎめで七百五十円を渡した。