Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

最初にたずねてきた時、彼は、銀座で流しのあんまをしながら詩を書いていると語った。まだ三十前の若い男だった。帰ったあと、文吉はえらく感心して、

「戦争中、飛行隊にいて航空兵のあんま係をやってたんだそうだ。それであんまの術をおぼえたんだってさ。とにかく、あんましながら詩を書くというんだから、おもしろいよ。」

「いい詩、かくの。」

安江が聞くと、文吉は、

「さあ、この次もってくるそうだ。山本春彦や藤岡新吉にもみせてほめられたんだそうだ。」

「へえ。でも、よく、田舎から出てきてすぐあんまになれたわね。あんまの縄張りなんて、ないのかしら。とにかく、若い男があんまになるってことは感心だわ。きっといい詩人になれてよ。だんだん変わった人が出てくるわね。」

生活派の安江もすごく感心して、まだ顔をみないその詩人に好意をよせた風だった。ただひとり音枝は、その若い詩人のよごれた歯なみにひそかにまゆをよせていた。着ているものだとて、野宿でもした人のようにほこりっぽかった。そのなりで、銀座の客がとれるのだろうかと思ったのだ。はたして二度目にきたとき、彼をおくり出したあと、文吉は少しばかり憂うつな顔で、