Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

しかし実のところ、浜子にはこわくてならぬことがあったのだ。男のように酔ってそれをまぎらそうとて、音枝に無断でさか屋からビールを二本とってきて、慣れぬさかもりを進君の部屋でやったのだが、さすがに遠慮して時をすごして帰ったのに、あついお茶づけはさめたと思った酔いを呼びもどしてしまったらしい。浜子はどうにもならぬじょう舌で音枝にからんだ。

「ね、おねえさん、あんたはおばさんがこわいかもしれないけどさ、わたしはこわくなんかないわよ。なにさ、女流作家でございますってえばってたってさ、わたしにおじさんをとられるかと思ってびくびくしてるじゃないの。わたしはね、おばさんをあっといわせてやりたいの。どんな顔するかそれがみたいの。ただそれだけなんだよ。おじさんだってかわいそうじゃないか。あんな年上のさ、しわくちゃばあさんが奥さんだなんて、気の毒だよ。いつか『几帳面』でこぼしてたわよ。そんなこと、知らないだろう、おねえさん。」

音枝は不愉快をこらえながら、こうなるとやっぱり安江たちが一刻でもおそく帰るよう心の中で祈りなおした。そして自分で浜子のねどこをのべてやりながら、がまんしきれずにいった。