Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
」
わざとらしいまで元気な声だった。出むかえた文吉と音枝の顔色で、浜子はまだ帰っていないことがわかった。文吉たちも、月を見ながら話しあっていたらしく、広縁にかやりの煙がゆれていて、父と娘の湯のみも出ていた。音枝に熱い茶を所望しておいて、安江は文吉と向いあってすわりながら、つとめて何気なく、
「聞いた?」
「うん、困ったね。」
気をきかしてその場をはずそうとする冬太郎を、安江はとめて、
「家族会議だ。冬坊、お前もここにいなさい。」
「はい。」
音枝もよってきた。四つの顔がそろってみてのめいめいの意見は、とにかく浜子に帰ってもらいたいということ以外になかった。しかし捜索願などは自尊心の強い彼女のためにとらないことにして、あと三日沙汰がなければ、新聞に三行広告を出すことに決めた。それらの事務は文吉の受持ちで、安江はもう一度、あすにでも、浜子のいったという女医をたずねることにした。ここまできて、安江はやっと文吉に対する曇り勝な目が少しずつ晴れてくるのをおぼえた。だが、その気持のとなりに進君の言葉も消えないでいる。彼を追い出してみたところで、その解決はないのだと思うと、今夜、ひとりで月を見ているであろう進君の部屋に大声で呼びかけた。