Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

」

「あ、それ、宮川浜子でしょうか。」

思わず安江はからだをのり出していた。

「あら!」

目を見はった床次女医は、かいつまんだ事情を聞くとますますおどろいて、

「そうですか。私はまた、早がてんしてしまって。どうも、こういうそそっかしい女でしてね――」

ぴょこんと頭をさげながら、しかし安江の不安をうち消すように、

「あの娘さんなら、大丈夫だと思いますわ。偽名なんかしないでしょうよ。とにかく心当りを聞いてみてあげますわ。でも、とにかくはっきりした方でしたね。お宅の方とわかってればのみこんでましたのにね。お宅のこと、おっしゃらないんですもの――」

彼女はなれた手つきでかたわらの卓の上の受話器をとり、懇意らしい相手との話に、移っていった。

「――宮川浜子。十九なんですがね、もしかしたら二十歳といったかもしれないわ。いない。そう。じゃあまたね――」

結果を目だけで安江に告げながら、別のところへかけた。

「――あ、鹿島医院でらっしゃいますか。こちら床次でございます。ちょっとうかがいますが、お宅に宮川浜子って若い患者さん入院してませんでしょうか。は、入院だと思います。三か月か四か月ですから。