Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
それが兵六さんにとっては気になってならない。それは、雑貨屋の百五十円売りのほうきにくらべれば、このほうきは値段だけでなく品物もとびきりだ。しかしいくら品がよくても、売れなきゃ商売にならない。といって、元値をきってたたき売るような愚は、雑貨屋になって以来の兵六さんにはもうなくなっている。もち網一つ、歯ブラシ一本と、ささやかな商売で、二円か三円ずつの利益を積みかさね、一日の決算が何百円かになっていることを思えば、短気にはなれなかった。そうとわかっていながら、なおほうきを邪魔に思うのは、わずかに残っている兵六さんのりちぎさである。彼は一日も早く、恩義ある親方から安くほうきをおろしてもらいたいのだ。それほど兵六さんは、今のところこの商売がおもしろくてならなかった。ほうきだけの時のように、一軒一軒の台所口に立って、奥さんのごきげんをうかがうのとちがって、
――ええおなじみの雑貨屋でございます。荒物からかなもの、おもちゃに化粧品、ポマードからくつブラシまで、ご家庭用品の何から何までそろっている移動デパートがやってまいりました。――
そして何でもよい、車の上の雑貨の名を調子よく歌っていれば、人はよってきてくれる。