Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
そして、そのいい気持は時々何かを錯覚するらしく、きゃはんなど巻きながら、
「二三子、きょうも豆腐一ちょう買っといてくれ。」
気もつかずに娘の名で呼び、夕食の注文をして出かけたりするのだった。それでも浜子は、これまでの浜子らしくもなく、
「はい はい。」
と、気のよい返事をし、ひとり肩をすくめてにやりとした。そして、兵六さんをおくり出してから、今度は自分も出かけるのだ。スラックスの足どりも軽く、ブルーのギンガムで作った手製のうわっぱりを着、つばのひろい大きな帽子をかぶると、どこのしゃれ者かと思うほどだ。がらがらとゴム輪のつぶれかけた手押車が出てきて、何と、その上に積んであるものは、鍋やしゃもじやはたきや雑きんではないか。
彼女はその乳母車ほどの手押車を近所の古道具屋でみつけたのだった。百円だった。骨ばかりで組立てたようなその車は、おそらく昔、どこかの隣組で共同のいもや大根の配給などに使われていたものだったかもしれぬ。浜子はそれを、空色の塗料でぬった。すると季節向きの涼しそうな車になった。ゴム輪のつけかえも考えたが、それは少しあとのことにして、
――毎度ありがとうございます。