Classici giapponesi con furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Leggi 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.169 caratteri · 43 schermate
「だからよ。晩香坡に着いてっからS・O・Sの女郎をヒョッコリ甲板に立たせて、ドンナもんだい。無事に着いたじゃねえかってんで、コチトラを初め、今まで怖がっていた毛唐連中をギャフンと喰らわせようって心算じゃねえかよ」
「フウン。タチがよくねえな。事によりけりだ。コチトラ生命がけじゃねえか」
「まったくだよ。船長はソンナ事が好きなんだからな」
「機関長も船長にはペコペコだからな」
「ウムウム。この塩梅じゃどこへ持ってかれるかわからねえ」
「まったくだ。計算にケチが付かねえでも、アタマにケチが付けあ、仕事に狂いが来るのあ、おんなじ事じゃねえかな」
「そうだともよ。スンデの事にタッタ今だって、S・O・Sだったじぇねえか」
「ああ。いやだいやだ……ペッペッ……」
コンナ会話を主檣の蔭で聞いた俺は、何ともいえない腐った気持になって、霧の中を機関室へ降りて行った。……これが迷信というものだかどうだか知らないが、自分の頭の中まで濃霧に鎖されたような気になって……。
それから三日ばかりした真夜中から、波濤の音が急に違って来たので眼が醒めた。アラスカ沿岸を洗う暖流に乗り込んだのだ……と思ったのでホッとして万年寝床の中に起上った。