Classici giapponesi con furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Leggi 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.169 caratteri · 43 schermate
「……………」
「元来、物理、化学で固まった地球の表面を、物理、化学で固めた船で走るんじゃろ。それが信じられん奴は……君や僕が運用する数理計算が当てにならんナンテいう奴は、最初から船に乗らんが宜え」
俺はギューと参ってしまった。一言ない……面目ない……と思って残念ながら頭を下げた。
「ムフムフ。シッカリし給え。オイオイ伊那一郎……S・O・S……ハハハ。ここだここだ……上っち来い」
船長を探すらしく巨大なバナナを抱えて船長室を駈出して行く青服の少年を船長は手招きして呼び上げた。俺が買って来た西蔵紅茶の箱を、鼻の先に突付けて命令した。
「これを船長室へ持って行て蒸留水で入れちくれい。地獄の親方と一所に飲むけにナ」
「CAPTAIN」と真鍮札を打った扉を開くと強烈な酸類、アルカリ類、オゾン、アルコオルの異臭がムラムラと顔を撲つ。その中に厚硝子張、樫材の固定薬品棚、書類、ビーカー、レトルト、精巧な金工器具、銅板、鉛板、亜鉛板、各種の針金、酸水素瓦斯筒、電気鎔接機、天秤、バロメータなんぞが歯医者か理髪店の片隅みたいにゴチャゴチャと重なり合っている……というのがこのアラスカ丸の船長室なんだ。