Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
大方蝉を啄もうとして烏はその餌を追うて梢から梢にと飛移ったに違いない。仙果は人気のない水茶屋の床几に置き捨ててある煙草盆から勝手に煙草の火をつけようとして、灰ばかりなのにちょッと舌鼓を打ったが、そのまま腰を下し懐中から火打石を捜出しながら、
「先生一服いかがで御座います。いつもなら、のう種員さん、この辺は河岸縁の三日月長屋も同然滅多に素通の出来る処じゃないんだが、今日はこうして安閑と煙草が呑んでいられるたア何だか拍子抜がして狐にでもつままれたようだ。」
「真白なこんこん様は何処の御穴へもぐり込んだのか不思議に姿をくらましたもんさな。何しろ涼しくって閑静でいい。それにいくら涼んでもお茶代いらずというのだからこれがほんに有難山の時鳥さ。」と腰なる一提を取出して種員は仙果の煙管から火をかりて一服した。
なるほど涼しい風は絶えず梢の間から湧き起って軽く人の袂を動かすのに種彦もいつか門人らと並んで、思掛けない水茶屋の床几に腰を下し草臥た歩を休ませた。折から梢の蝉の鳴音をも一時に止めるばかり耳許近く響き出す弁天山の時の鐘。数うれば早や正午の九つを告げている。種彦はどこかこの近辺に閑静で手軽な料理茶屋でもあらば久ぶり門人らと共に中食を準えたいと言出すと、毎日のぞめき歩に至極案内知ったる柳下亭種員心得たりという見得で、雪駄