Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
雪は止んだ。裸虫の甲羅を干すという日和も日曜ではないので、男湯には唯一人生花の師匠とでもいうような白髭の隠居が帯を解いているばかり。番台の上にはいつも見る婆も小娘もいない。流しの木札の積んである側に銅貨がばらばらに投出したままになっているのは大方隠居の払った湯銭であろう。兼太郎も湯銭を投出して下駄をぬごうとした時、ガラガラと女湯の戸をあけて入って来た一人の女がある。
色糸の入った荒い絣の銘仙に同じような羽織を重ねた身なりといい、頤の出た中低な顔立といい、別に人の目を引くほどの女ではないが、十七、八と覚しいその年頃とこの辺では余り見かけない七三に割った女優髷とに、兼太郎は何の気もなくその顔を見た。娘の方でも番台を間に兼太郎の顔を見るといかにも不審そうに、手にした湯銭をそのまま暫く土間の上に突立っていたが、やがて肩で呼吸をするように、
「まあお父さんしばらくねえ。」といったなり後は言葉が出ぬらしい。
「お照。すっかり見ちがえてしまったよ。」
兼太郎は人のいないのを幸い番台へ寄りかかって顔を差伸した。
「お父さんいつお引越しになったの。」
「去年の今時分だ。