Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
」
「ええ。お出になりませんよ。」とかみさんは何故か見返りもしない。
兼太郎はわけもなく再びがっかりして二階へ上るや否や二重廻を炬燵の上へぬぎすてそのままごろりと横になった。向う側の吉川という待合で芸者がお客と一所に「三千歳」を語っている。聞くともなしに聞いている中、兼太郎はいつかうとうととしたかと思うと、「田島さん、田島さん。」と呼ぶ声。
階下のかみさんは梯子段の下の上框へ出て取次をしている様子で「お上んなさいましよ。きっと転寝でもしておいでなさるんだよ。まだ聞えないのか知ら。田島さん。田島さん。」
兼太郎は刎起きて、「お照か。まアお上り。お上り。」といいながら梯子段を駈下りた。
お照は毛織の襟巻を長々とコートの肩先から膝まで下げ手には買物の紙包を抱えて土間に立っていた。兼太郎は手を取らぬばかり。
「お照。よく来てくれたな。実はもう来やしまいと思っていたんだ。おれも今方帰って来た処だ。さア二階へお上り。」
「じゃ御免なさいまし。」とかみさんの方へ何とつかず挨拶をしてお照は兼太郎につづいて梯子段を上った。
「お照、ここがお父さんのいる処だ。お父さんも随分変ったろう。