Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
父は少し口髯が白くなったばかりで、銅のような顔色はますます輝き、頑丈な身体は年と共に若返って行くように見えましたが、母は私の留守に十年二十年も、一時に老込んでしまいました。小く萎びた見るかげもないお婆さんになってしまいました。
私は敢えて妻や恋人ばかりではない。母親をも永久に若い美しい花やかな人を持っていたいのです。私は老込んだ母の様子を見ると、実際箸を取る気もなくなりました。悲しいとか情ないとかいうよりも最っと強い混乱した感情に打れます。不朽でない人間の運命に対する烈しい反抗をも覚えます。
閣下よ。私の母は私が西洋に行く前までは実に若い人でした。さほどに懇意でない人は必ず私の母をば姉であろうと訊いた位でした。江戸の生れで大の芝居好き、長唄が上手で琴もよく弾きました。三十歳を半ば越しても、六本の高調子で「吾妻八景」の――松葉かんざし、うたすじの、道の石ふみ、露ふみわけて、ふくむ矢立の、すみイだ河……
という処なぞを楽々歌ったものでした。それでいて、十代の娘時分から、赤いものが大嫌いだったそうで、土用の虫干の時にも、私は柿色の三升格子や千鳥に浪を染めた友禅の外、何一つ花々しい長襦袢なぞ見た事はなかった。