Classici giapponesi con furigana
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ゆき
雪
楠田 匡介
Leggi 雪 (ゆき) di 楠田 匡介 (くすだきょうすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.792 caratteri · 50 schermate
その内蔵書の一切を明日にでも、手放しするかも知れない状態になって来た。事態は切迫して来たのです。あの夜、最後の交渉を山村は、あの書庫でしたのでしょう。
五十嵐も、伊東も、その前に、早川と争をしているので、再び書庫には入って来ない。家人も、めったに入って来ない事を、山村はよく知っていました。そしてその一巻を、彼は懐にして帰ったのです。
私は彼を訪ねた時、
『文庫を見なかったか?』と質問して見ました。彼は一寸考えていましたが『文庫はテーブルの上にはなかった』と答えた事から彼が犯人だろうと推理したのです。私は帰って来て、彼の言葉を解剖して見ました。
彼はなぜ、嘘をいったのであろう?
彼はあの中から、問題の一巻を盗って来たからです。その事がとっさに、彼を混乱の中に落し入れ彼のまだ残っている良心が、恐怖にぬりつぶされて、その嘘をいわせたのです。その文庫の中から、伊東も自分の証書を盗ったのですが文庫には山村の指紋があり、それに重って、伊東の指紋も検出されました」
「……犯人は山村なりと、情況証拠は総て彼を指しているのに、一つ、どうしてあの密閉された室から彼が出たか……又は、どうして外から、あのカケガイをおろしたか、の一点で、私は苦しんだのです。