Classici giapponesi con furigana
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ゆきたたき
雪たたき
幸田 露伴
Leggi 雪たたき (ゆきたたき) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.132 caratteri · 56 schermate
今時分、人一人通ろうようは無い此様なところの雪の中を、何処を雪が降っているというように、寒いも淋しいも知らぬげに、昂然として又悠然として田舎の方から歩いて来る者があった。
こんなところを今頃うろつくのは、哀れな鳥か獣か。小鳥では無いまでも、いずれ暖い洞窟が待っているのでは無い獣でもあるか。
薄筵の一端を寄せ束ねたのを笠にも簑にも代えて、頭上から三角なりに被って来たが、今しも天を仰いで三四歩ゆるりと歩いた後に、いよいよ雪は断れるナと判じたのだろう、
「エーッ」
と、それを道の左の広みの方へかなぐり捨てざまに抛って了った。如何にも其様な悪びれた小汚い物を暫時にせよ被ていたのが癇に触るので、其物に感謝の代りに怒喝を加えて抛棄てて気を宜くしたのであろう。もっとも初から捨てさせるつもりで何処ぞで呉れ、捨てるつもりで被て来たには相違無いわびしいものであった。
少し速足になった。雪はもとよりべた雪だった。ト、下駄の歯の間に溜った雪に足を取られて、ほとほと顛びそうになった。が、素捷い身のこなし、足の踏立変えの巧さで、二三歩泳ぎはしたが、しゃんと踏止まった。
「エーッ」