Classici giapponesi con furigana
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ゆきとどろ
雪と泥
山本 周五郎
Leggi 雪と泥 (ゆきとどろ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.993 caratteri · 40 schermate
「――突然で迷惑かもしれないが、非常に急な入用なので、それに、家には借分はない筈だと思うが」
「それはもう仰しゃるまでもございません、よろこんで御用立て申します」
折之助はかっとのぼせた。思わず声をあげそうになったが、佐平は続けて云った。
「すぐに用意をしてお供を致しますから、どうぞちょっとお待ちを願います」
「いや、それは」と折之助は慌てて手をあげた、「金は私が持ってゆくからわざわざ来るには及ばない、そのために私が代理で来たんだから」
「いえそれはいけません、暫く御無沙汰をしておりますし、御病気とあればおみまいも申上げたいし、お手間はとらせませんからどうぞちょっとお待ち下さい」
「しかしその金は、家で入用なのではなく、これからすぐ届ける先があるので、父の親しい知人なのだが、本所のほうの」
「いや、それだけは」と佐平は歯を見せて笑った、「折角ですがそれだけはどうも、なにしろ小出さまの御前は、金についてはごくきちょうめんでいらっしゃいますからな、これはもうじかにお手渡しするよりほかにございませんので、いえ、駕籠でまいれば暇はとりませんから」
こう云って、佐平は帳場のほうへいった。