Classici giapponesi con furigana
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ゆきのひ
雪の日
近松 秋江
Leggi 雪の日 (ゆきのひ) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8365 caratteri · 17 schermate
そうしようと思って、一晩寝られなかったことがありました」
私は「ウムウム」と言って聞きながら、十年も経ってから、十六七の時分に蛙を火箸で打ったことをよく覚えていたり、それよりも蛙を踏み蹴ったくらいを、さも大事のように思ったり、それを火箸で打ったのを、夜じゅう苦に病んだりする性情をじっと黙って解釈しながら、気楽な、落着いた淡い興味を感じて、そんな女の性質が気に入った。そうして、
「それからその男の話はどうした」と前の話の続きを促した。
「別にどうと言うことはない。それだけの話ですが、『何か御用ですか』と言うと、男の方でも何でだか極りの悪るそうに先方だって声が顫えていました。
『あなたは私を知らないでしょうけれど、私はよくあなたを知っています。どうぞ私の言うことを聞いてくれないでしょうか』って言うんです。私は『そうですか、どういう御用か知りませんが、御用があるなら、私にはお母さんがあるから、お母さんにそう言ってください』って、そう言ってやったんです。そうすると、男は何とも言いえませんでした。
けれども私はどうなるかと思って恐かった。そうしているところへちょうど都合よく道を通る者が来合わしたから、私はそれからいっさんに駆けて戻りました」