Classici giapponesi con furigana
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ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Leggi 雪柳 (ゆきやなぎ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.054 caratteri · 90 schermate
、ハッと思い、蚊遣の火も怪しく燃えれば、煙の末に鬼が顕われ、夕顔の蕊もおはぐろでニタリと笑う。柳の雫も青い尾を曳く。ふと行燈に蟷螂でも留ったとする……眼をぎょろりと、頬被で、血染の斧を。
「あれえ。」
筆を持った白い手を、わななかせたに違いない。
時に、白い手といえば、「怪談録」目録の第一に、一、浅草川船中にて怪霊に逢う事、というのがある。
当時の俳諧師、雪中庵の門人、四五輩。寛延年不詳、霜月のしかも晦日、枯野見からお定まりの吉原へ。引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町葺屋町の顔見世、夜の中から前景気の賑いを茶屋で見ようと、雅名を青楼へ馳せず芝居に流した、どのみち、傘雨さん(久保田氏)の選には入りそうもないのが、堀から舟で乗出した。もう十時を過ぎている、やがて十二時。舳が蔵前をさすあたり、漾蕩たる水の暗さにも、千鳥の声に、首尾の松が音ずれして、くらやみから姿をさしのべ、舟を抱くばかりに思うと、ぴたりと留って動かない。櫓づかいをあせる船頭の様子も仔細ありげで、夜は深し、潮も満ちて不気味千万、いい合わせたように膝を揉合い、やみを透すと、心持、大きな片手で、首尾の松を拝んだような船の舳に、ぼっと、白いものが搦んでいる。