Classici giapponesi con furigana
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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Leggi 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) di 木村 荘十 (きむらそうじゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.859 caratteri · 76 schermate
横町がないというより、あの埃々した饐えたような匂いのする街全体がないのである。
そこには、安っぽいバラック建のような二階建が並んでいて、その背後に入って見ると、同じような家々が隙間もなく建ち、その一角の広い板囲いの中に、工場のようなものが建ちかかっていた。
孫伍長は、暫く呆然として立っていたが、角の薬屋まで引返して来ると、
「一体この裏の街はどうなっちゃったんだね」
と、店先から詰問するように入って行った。
売台に倚りかかって大きな算盤をはじいていた店員は、戦線を感じさせる孫の姿に、怯えた眼をして主人を振返った。
「この裏の黄泥巷さ、随分変っちまったが……」
「ああ、この貧民窟ですか。命令ですっかり取払いになりましてね。大分騒ぎましたけど官署のやることをどうにもなりはしませんや。気の毒なもんでしたよ。その日から寝る所もないのですからな」
「それで、あれだけの人間が何処へ行ったんだろう」
「さア、不断だって、何処へどう行っちゃうか分らない人達ですからね、軍夫にとられたり、鉱山へ送られたり……」
「だがまさか女子供までそんなことはしないだろう」
孫伍長の顔色がなかった。