Classici giapponesi con furigana
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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
Leggi 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.606 caratteri · 45 schermate
でたすかりました」
「そうでしたか、私の両親も早く没っておりますので、今日は保叔塔寺へ往ったところで、この雨ですから、舟を雇おうと思って、来て見ると知合いの舟がいたので、乗ったところでした、ちょうど宜しゅうございました」
舟は府城の城壁に沿うて南へ南へと往った。絹糸のような雨が絶えず笘屋根の外にあった。
「家を出る時は、好いお天気でしたから、雨のことなんか、ちょっとも思わなかったものですから、困ってしまいました、ほんとにありがとうございました」
小婢が主人の横脇でもそもそと体を動かす気配がした。
「私も姐の家に世話になって、日間は親類の薬舗へ勤めておりますので、暇をもらって、やっぱり雨のことは考えずに、来たものですから、ひどい目に逢いました、皆、今日は困ったでしょうよ」
許宣は気もちをいじけさせずに女と話すことができた。
舟はもう湧金門の外へ来ていた。小さな白い雨は依然として降っていた。女は何か思いだしたように自分の体のまわりをじっと見た後で、小婢の耳へ口を著けて小声で囁いて困ったような顔をした。と、小婢の眼元が笑って女に囁きかえした。それでも女は困ったような顔をしていた。