Classici giapponesi con furigana
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Leggi 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.100 caratteri · 86 schermate
博士はおどろいた。隆夫がなにをいい出したやらと、びっくりした。しかも「汝は下がれ」といったのはギリシア語だったではないか。隆夫がギリシア語を知っているとは今まで思ったこともなかった。
「お前は、だまって、じっと黙っているがいいよ。あとはわしがうまくやるから」
と、治明博士は近づいて、それをいおうとしたのだ。ところがどうしたわけか、博士は声が出せなかった。そして全身がかッとなり、じめじめと汗がわき出でた。
「汝は、しずかに、見ているがよい」
レザールは重ねていった。
と、博士は何者かに両脇から抱えあげられたようになり、自分の心に反して、ふらふらと舞台を下手へ下がっていった。そしてそこにおいてあった椅子の一つへ、腰を下ろしてしまった。
来会者席からは、しわぶき一つ聞えなかった。みんな緊張の絶頂にあったのだ。誰もみな――治明博士だけは例外として――聖者レザールが厳粛な心霊実験を始めたのだと思っていたのだ。このとき、舞台裏で、例の奇妙な楽器が鳴りだした。恨むような、泣くような、腸の千切れるような哀調をおびた楽の音であった。来会者の中には、首すじがぞっと寒くなり、思わず襟をかきあわす者もいた。