Classici giapponesi con furigana
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ほしみせ
露肆
泉 鏡花
Leggi 露肆 (ほしみせ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.973 caratteri · 32 schermate
扁平く、薄く、しかも大ぶりな耳へ垂らして、環珠数を掛けた、鼻の長い、頤のこけた、小鼻と目が窪んで、飛出した形の八の字眉。大きな口の下唇を反らして、かッくりと抜衣紋。長々と力なげに手を伸ばして、かじかんだ膝を抱えていたのが、フト思出した途端に、居合わせた娘の姿を、男とも女とも弁別える隙なく、馴れてぐんなりと手の伸びるままに、細々と煙の立つ、その線香を押着けたものであろう。
この坊様は、人さえ見ると、向脛なり踵なり、肩なり背なり、燻ぼった鼻紙を当てて、その上から線香を押当てながら、
「おだだ、おだだ、だだだぶだぶ、」と、歯の無い口でむぐむぐと唱えて、
「それ、利くであしょ、ここで点えるは施行じゃいの。艾入らずであす。熱うもあすまいがの。それ利くであしょ。利いたりゃ、利いたら、しょなしょなと消しておいて、また使うであすソ。それ利くであしょ。」と嘗め廻す体に、足許なんぞじろじろと見て商う。高野山秘法の名灸。
やにわに長い手を伸ばされて、はっと後しざりをする、娘の駒下駄、靴やら冷飯やら、つい目が疎いかして見分けも無い、退く端の褄を、ぐいと引いて、
「御夢想のお灸であすソ、施行じゃいの。