Classici giapponesi con furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Leggi 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.338 caratteri · 254 schermate
あなたはこの頃は雨天続きにて、不安な心地で暮らしていらっしゃるのではなかろうかと思われます。桜もおおかた散ってしまって、柔らかな新緑の心地よく、眼にしむように感ぜられるまでの、あの悩ましい晩春の心地のなかに通学したり、読書したりして暮らしていらっしゃるのでしょう。あなたの静かな、ものを包みはぐくむような御生活や、たのしい音楽会などのおたよりは、いつも私の淋しい生活になぐさめを送ります。そして私はいつもあなたらと朝夕往復のできるために上京して、郊外の静かなところに住んでいたいと思わないことはありません。私はもはや永くあなたと会いませんね。私はお懐かしく存じます。
私はどのような境遇にても忍んで生きたいとは思いますけれど、ことさらに私の魂の育ち行くのにフェボラブルでないところに住みたくはありません。ことに心の平静をこぼちほしいままな荒々しさや働きのない懶惰な気分のなかに住むことは、もっとも不幸に感ぜられます。私のように誘われやすい弱い、醜い性格のものには、周囲は侮りがたき勢力をもって迫ります。私は病院にいた時のような純な愛の感激を、この地では心に味わうことができません。