Classici giapponesi con furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Leggi 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.593 caratteri · 325 schermate
(しかし、私は違う)彼女は来年十八歳で卒業すると、いま東京帝国大学の法学部にいる従兄と結婚することになっており、十六の少年など十も下に見える姉さん面が虚栄の一つだった。
それ故、その翌日から三日も続けて、上本町六丁目から小橋西之町への舗道を豹一に尾行られると、半分は五月蠅いという気持から、
「何か用ですの」いきなり振り向いて、きめつけてやる気になった。三日間尾行するよりほかに物一つ言えなかった弱気を苦しんでいた豹一の自尊心は、紀代子からそんな態度に出られたために、本来の面目を取り戻した。
「あんたなんかに用はありませんよ。己惚れなさんな。ただ歩いているだけです」
すらすらと言葉が出た。その言葉が紀代子の自尊心をかなり傷つけた。
「不良中学生! うろうろしないで、早くお帰り」
「勝手なお世話です」
「子供の癖に……」と言い掛けたが、巧い言葉も出ないので、紀代子は、
「教護聯盟に言いますよ」
近頃校外の中等学生を取締るために大阪府庁内に設けられた怖い機関を持ち出して、悪趣味だった。
「言いなさい。何なら此処へ呼びましょうか」そう言う不逞な言葉になると、豹一の独壇場だった。