Classici giapponesi con furigana
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あおふくのおとこ
青服の男
甲賀 三郎
Leggi 青服の男 (あおふくのおとこ) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.026 caratteri · 29 schermate
「あれまア、旦那さま」
「あゝ、お徳さん」信造は馴々しくいった。
「昨日はどうも失敬したよ。夕方に急に思い出した事があったので、黙って東京へ帰って終って――」
司法主任の榎戸警部は信造に向って、意外という風に、
「じゃ、あなたは昨日こゝへいらしたのですね」
「えゝ」今度は信造の方で不審そうに、「お徳さんからお聞きにならなかったのですか」
「聞きました。然し、その人間が死んだ人間と同じ人間だと思っていましたので――」
「御冗談です。僕は死にやしません。こうやって生きてますよ」
「ふむ」流石の警部も狐に撮まれたような顔をしながら、「兎に角、屍体を見て下さい」
信造は屍体を一眼見ると叫んだ。
「あゝ、卓一だ」
「え、ご存じの方ですか」司法主任は反問した。
「えゝ、知ってますとも、従兄弟です。もしかしたらそうじゃないかと思っていたんですが。あゝ、卓一君、可哀想に――こ、こんな有様で死ぬとは――」
「ふむ、従兄弟ですか」榎戸警部は信造と死者とを見比べながら、「実によく似ている。従兄弟とはいいながら実によく似てますなア。然しこの人はどういう訳でこんな所へ来たのでしょうか」
「それについて心当りがあります。