Classici giapponesi con furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Leggi 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.513 caratteri · 43 schermate
また盗んだものを、白昼公然と、自分に命じて、引き出しにやった青木の大胆さは、ほとんど常識を備えた者としては考えられないことだった。しかし雄吉は主人の前に蹲りながら、この事件から身を脱するのは、なんでもないことだと思った。
「あの小切手は青木が、持っていたものです」といってしまえば、自分だけは手もなくこの災難から脱することができると思った。が、その時の雄吉は――青木の人格的魅力に陶酔しきっていた雄吉は、自分に降りかかって来た嫌疑を、手もなく、青木に背負わせて、自分一人浮び上るのに堪えなかった。彼はその時、ふと青木の今までの行動から、彼の道徳性を調べて見る気になった。青木は一体盗みをするという悪癖を持っているのだろうかと考えた。すると、雄吉の心にふと、一月前の青木に関したある光景が浮んできた。それは学校の教室で、青木が、新しく古本屋から買ったばかりだというドイツ語の辞書を見ていると、すぐ横にいた同じクラスの藤野という男が、
「おやっ! 君はこの辞書をどこで買ったんだい」と、きいた。すると、青木は、何を無礼な質問をと、いったように例のごとく高飛車に、
「なんだってそんなことをきく必要があるんだ。