Classici giapponesi con furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Leggi 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.513 caratteri · 43 schermate
二人はまた黙ってしまった。雄吉は、友達の噂でも話してみようと思った。が、クラスのうちの誰も、皆立派に成功の道に辿りついていて、誰の噂をしても、青木に対して当てつけがましくきこえないのはなかった。雄吉は、やっと岡本という男のことを思い出した。その男は、大学を出るのも、一年遅れた上に、大学を出てからも、職業がなくてぶらぶらしていた。この男の噂なら、青木を傷つけることはないと思った。
「君は、岡本の噂をきいたことがあるかい」と、雄吉がきくと、
「岡本! あああいつか。あいつはまだ生きているのかい」と、青木は突き放すようにいった。「青木! あああいつか。あいつはまだ生きているのかい」という方が、もっと自然らしく思われるその青木が、こうした昔のままの傲慢さを持ち続けていることが、雄吉にはむしろ淋しかった。雄吉が、話題に困っている様子を見ると、青木は、
「どうだい、君や桑野は勉強しているかい。外国のものなんか、盛んに読んでいるだろうな」と、妙に皮肉に挑戦的にきいた。それは、昔の青木とほとんど変っていなかった。そうした青木の攻撃的な言葉に、今でも妙な圧迫を感ずるのを雄吉は自分ながら不快に思った。