Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.550 caratteri · 27 schermate
……手めえの叔父というのは、武蔵国新井方村の水呑百姓。それが、近ごろ死ねまして、ちょっとまとまったものを貰ったから、それを資本にここで開店いたしましたこの居酒屋、チチン。……へッ、嘘をつけ、唄の文句ならそれでもいいだろうが、そんなチョロッカなことじゃ世間は誤魔化されねえ。……おい、六平、芳太郎さんの眼は節穴じゃアねえよ。まかり間違ったらひとさまの生眼も引きぬこうというお兄哥さんなんだ。そんなことで蓮台に引きのせようたって、そうはいかねえや。……つもっても見ねえ、この通り羽目は檜の白磨きにして、天井は鶉目、小座敷の床柱には如輪木をつかい、飯台は節無し無垢の欅ぞっき、板場はすべて銅葺にして出てくる徳利が唐津焼。……造作だけを見まわしても、どう安くふんでも三百両。……多寡が上州の水呑百姓。喰うものも喰わずに三代かかって溜めこんでも、これだけのものは残せねえ。……なんだなんだ、今さららしくギョッとしたような面をするねえ。……実は、芳太郎、宇津谷峠の雨やどり、この三百両は按摩を殺して奪った金だといやア、おお、そうかと嚥みこんでやる。子供をあやすんじゃあるめえし、上州の叔父が死ねまして。