Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.406 caratteri · 27 schermate
日が日だから温厚な万屋和助もさすがに迷惑そうな顔をしたが、こちらはそれに構わず、残らず家の中を見せてもらって、最後にお米が寝ていたという例の座敷土蔵。
大奥の局もこうあろうかと思われるような手びろい構え。長い廊下に四方からかこまれた五百坪ぐらいの中庭があって、土蔵はそのまんなかに建っている。
アコ長は、ひょろ松を助けるふりをしながら土蔵の穴蔵へ入ってなにかしきりにゴソゴソやっていたが、やがてひょろ松の耳に口をあて、
「ここに抜穴でもあるかと思って調べて見たが、そんなものはない。このへんがギリギリだろうから、さっき言ったことを万屋に訊いてみろ」
ひょろ松は合点して、万和のほうへ寄って行き、
「ねえ、万屋さん、つかぬことをお伺いするようですが、お米さんが息を引きとられたとなると取りあえず湯灌の支度をしなくちゃならない。そのとき棺はこの土蔵座敷の中まで入りましたろうね」
万和はうなずいて、
「息を引きとりましたのが七ツ半ごろ。泣きの涙で死衣裳に替えさせ、お時という小間使をひとり残してわれわれは広座敷へ集まって葬式の日どりの相談をしておりますと、それから半刻ほどの後、お時がワアワア泣きながら飛んでまいりまして、お嬢さまが、いまお持ちなおしになりましたと申します。