Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.904 caratteri · 28 schermate
おれはとど助さんと茅場の茶漬屋で飯を喰いながら待っているから」
アコ長ととど助が約束の場所で待っていると、ほどなくひょろ松が駕籠を飛ばして帰って来た。
「……阿古十郎さん、ちょっと変ったことがありました、こういう話なンです。……こんど大和屋が名題に昇進した披露をかねて立花屋の『鯵売』のむこうを張って、常磐津文字太夫、岸沢式佐連中で『小鰭の鮨売』という新作の所作事を出すことにきまりました。これは、頭取と幕内と大和屋の三人だけの内証になっているンですが、どこからもれたのかこちらよりさきに菊人形にされてしまい、中村座では大きに迷惑をしているンで……」
「ふむ」
「……ところで、もうひとつ耳よりな話があるンです。このひと月ほど前から市中の女髪結や風呂屋で、こんど大和屋が小鰭の鮨売の新作所作事を出すについて、ようすを変えて鮨売になり、市中を呼び売りして歩く。うまく三津五郎だと見ぬいたひとには家紋入りの印物をくれるという噂が立っているンです。……金春町のお兼の女髪結へ寄って見ましたが、なるほどたいへんな評判。髪を結いに来ている娘や芸者が髪などはそっちのけでズラリと格子窓のそばへ並び、鮨売が来たらその中から大和屋を見つけて印物をもらうのだとたいへんな騒ぎをしておりました」