Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.527 caratteri · 23 schermate
「ときに、仙波さん、あなたのお役柄はなんです」
「はア、ご承知のように、例繰方撰要方兼帯というケチな役、紙虫や古帳面の友というわけで、……いや、おはずかしいです」
「つまり、刑律の先例を調べるのが、あなたの役なのだろう。そんならば、古帳面へしがみついているがいい。あまり出すぎた真似はせぬほうがいいな」
「これは、どうも、ご忠告ありがたい。せいぜい戒心いたします」
藤波はキリッとかすかに歯噛みをして、
「ふん、面は馬鹿げているが、わかりはいいようだな。以後、気をつけろ」
顎十郎は、いんぎんに一揖すると、
「委細承知いたしました。これで御用は、もう、おすみですか、そんならば、わたくしはこの辺で……」
「待て、待て、うろたえるな。まだ話がある」
「ほほう」
「こんどの堺屋の一件は、やはり貴様の出しゃばりだろうが、お気の毒だが、でんぐりけえすぞ、そう思って貰おう。こッちに手証があがった」
顎十郎は、すこし真顔になって、
「出しゃばりとか、堺屋とか、そりゃア、いったい、なんのことです。どうも、一向……」
千太はいままで、苦虫を噛んで突っ立っていたが、藤波を押しのけるようにして進み出ると、