Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.527 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

顎十郎は、その手紙を読み終ると、莨の煙をふきながら、

「実は、吟味部屋で二人に逢う前に、おれは揚屋へ行って忠助と話をしてみた。……まるで、念仏でもとなえるように、私が殺したとばかりくりかえす。旦那さまや鶴吉どんが死んで、おさよさんとわれわれ二人だけの世の中だったら、どんなに楽しかろうと、ときどき考えたことがございます。たぶんその思いが通じて、こんな始末になったことなのでしょうから、とりもなおさず、私が殺したと同様なのでございます、というんだ。自分の罪をごまかすがために、こんなことをぬかすやつも数あるが、そういう忠助の顔を眺めて見ると、眼は浄らかに澄み、面ざしは、まるで照りかがやいているように見える。……こいつが殺したのじゃねえということはひと眼でわかった」

「それで、藤波のほうはどうでしたの」

「藤波はせんぶりの千太と堺屋へ出かけて行って、台所の棚に鼠の通い路があるのを見つけて、間もなくおれと同じように詮じつめてしまった。……ふふふ、今度はまず五分五分の勝負かな。……ただ藤波は堺屋へ行き、おれはうちで寝っころがって考えただけのちがいだ」