Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.468 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

「……数負さま、数負さま。……あなたまで、あなたまで。……ああ、どうしよう、どうしよう。……あなたに万一のことがあったらあたしは生きてはおりません。……どうぞ、もういちど眼をあけて。……死んでは嫌、死んでは嫌。……岩の下ゆく水の心ばかりを通わせ、焦れ死ぬほどにお慕いしておりました。それほどの思いもとどかず、こんなすさまじい折に、思いのたけをお伝え出来ぬとは、なんという悲しいめぐりあわせ。……切ないあたしの思いもあなたの耳に聞えるのやら聞えぬのやら……」

なりもふりもなく掻きくどくのを、アコ長はその肩へ手をかけ、

「そういうことなら悲しいのはもっともだが、そんなことをしていては手当が遅れる。それじゃ助かる命も助からない。歎くのは後にして、ともかく離家へ運んで手当をしなくては……」

とど助と清五郎と、三人がかりでお節をひき離して数負を離家へ運びこむ。たいへんな熱で、そばへ寄るとプーンと熱の臭いがする。寒けがするのか、絶え間なくガタガタと身体を震わせ、切れぎれに、

「……畜生ッ、……き、貴様、阿波屋の六人を……、貴様が阿波屋のかたき。……そこにいろ、いま離家へ行って刀を持って来てぶった斬ってやるから。