Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.604 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

雛壇の瓶子を指さし、

「あッちのほうには、そのつもりで、そっと辛いのを仕込んでおきましたのさ」

「ほッほ、いつもながら、よく気がつくの。……花世さん、おめえのお婿さんが、うらやましい」

「おやおや、あまり、まごつかせないでくださいまし、番頭さんが、おかしがっているじゃアありませんか」

と言って、巻物のほうへ向き直り、

「……ねえ、長崎屋さん、畝織もいいが、そちらの平織もおとなしくッていいねえ、ちょいと拝見な」

番頭は、しきりに揉手をして、

「どちらかと申せば、この平織の方がずんとこうとでござります……もっとも、お値段のほうも、こちらのほうが、しょうしょうお高くなっておりますが、へい」

呉絽は文政のころに支那から舶載され、天鵞絨、サヤチリメン綸子、鬼羅錦織などとともに一時流行しかけた。天保十三年の水野忠邦の改革でおさえられ、自然と舶載もとまったが、昨年の秋ごろ、長崎屋という呉服屋が京橋に店をひらき、支那から仕入れた呉絽を一と手に売り出したので、金に糸目をつけぬおおどこの娘や芸者が競って買い求め、年増は小まん結びに、若向きは島原結びというのにするのがこのごろの流行。