Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.674 caratteri · 36 schermate
といつもの不得要領な調子で、
「いやどうも、それは、それは……」
と、わからぬことを言っておいて、あらためて青地の顔を眺め、
「とかく、番所の人間というものは、わかりきったことをしちくどく念を入れるが、これが、つまり役儀がら。……馬鹿なことをうかがうようですが、加賀の屋敷を出て、どういう道すじで一ツ橋へおいでなすった」
「どの道と申して、道はひとすじ。……壱岐殿坂から水道橋。大屋敷を左に見て、榊原式部のかどから四番原、三番原。……それから一ツ橋……」
「まず、そのへんが道順ですな。……あなたは、駕籠を一ツ橋門内で待伏せなすっていらしったそうだが、どのへんで氷の駕龍を追いぬかれましたか」
青地はチラと眼をあげて、
「はて、どのへん、と申して……」
「お忘れですか」
「いや、思い出しました。……駕籠を追いぬいたのは、ちょうど、大屋敷のあたり……」
「……あたり、と言いますと……」
「……ちょうど、大屋敷の角で……」
「ははあ、そこで追いぬかれた。……なぜ、そこでおやりにならなかった」
「……なにか御祝儀でもありましたろう、おりあしく、榊原のお徒士衆が油単をかけた釣台をかついで門から出てまいりまして……それで……」