Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.819 caratteri · 26 schermate
後はわしが引きうけたから、我善坊の泥鰌屋へ行こう」
「でも、あのへんは伊勢駕の繩張だから、下手なことをすると、ぶったたかれますぜ」
「なあに、かまわん、かまわん。わしがうまい工合にやる。心配せんとついて来まっせ」
空駕籠をかついで仲町から飯倉片町のほうへやって来ると、おかめ団子のすじかいに、紺暖簾に『どぜう汁』と白抜にした、名代の泥鰌屋。駕籠舁、中間、陸尺などが大勢に寄って来てたいへんに繁昌する。
泥鰌鍋のほかに駕籠宿もやっているので、奥まった半座敷には、駕籠舁の若い者がいつも十人二十人とごろっちゃらしている。
軒下へ駕籠をおしつけておいて、暖簾をわけて入って行くと、やっと松がとれたばかりの正月の十日。どいつもこいつも大景気。人数にして三十人ばかり、丸煮やら柳川鍋やら大湯呑に鬼菱というのを注がせて、さかんに煽りつけている。
すいた床几へようやく割りこんだアコ長ととど助。けさっからの大旱魃なもんだから、たちまち咽喉を鳴らし、
「いやどうも、たまらん匂いがする」
「匂いはいいが、とど助さん、後のところは大丈夫でしょうね」
「くどく念をおす必要はない。たしかに、わしが引きうけた。