Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.327 caratteri · 43 schermate
「おう、ひょろ松か……」
「ひょろ松か、も、ないもんです。……なにをしているんですってば」
「なにをって、見たらわかるだろう、凧をあげている」
ひょろ松は、ふくれッ面をして、
「あなたのようなのんきな人を見たことがない。……いよいよ南と北のあいがかり、火の出るような鍔ぜりあいになってるというのに、こんなところで凧あげなんかしているひとがありますか! 呆れかえってものが言えやしない」
「すっかり病みつきになってな。……ひょろ松、おもしろいからお前もやって見ろ」
「ちッ、凧どころの騒ぎですか。……南では、藤波が金座のお蔵方の立馬左内というのを、こんどの立役者だときわめをつけ、十歳になる伜もろとも番屋へひきあげ、追っつけ口書をとろうとしているというのに、北の大将は餓鬼どもにまじって、火除地の原っぱで凧あげたあ、どうですか。……役割部屋へたずねて行くと、毎日、朝っから飛びだして、夕方でなけりゃ帰らないということだから、てっきり身を入れてやっていてくださるんだとばかり思っていたら、あなたは、こんなところで遊んでいたんですか」
「ああ、そうだよ」
ひょろ松は泣きだしそうな顔で、