Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.327 caratteri · 43 schermate
また、釣のぐあいによって、いろいろあがり方がちがうだろう、かくべつ不思議なんというこっちゃない」
「おや、そうですか。それならそれでいいですが……」
急に頓狂な声をあげ、
「おお、来ました、来ました!……小田原町のほうから三つばかり鳶凧がやって来ました。これから凧合戦がはじまりますぜ」
小田原町の方角から烏凧の二倍もあろうという大きなとんび凧が三つ。羽紋をえがいた銀泥を光らせながらズーッと金座の上のほうへ襲いかかって来て、手近のからす凧へ雁木をひっかけはじめた。
烏凧のほうでも負けてはいずに、三方から競いかかるようにして鳶凧にかかって行く。
多勢に無勢で、とんび凧は、一時、形勢が悪くなったように見えたが、凧の大身を利用して強引にのしかかり、ひとつずつ烏を雁木にひっかけて小田原町のほうへ逃げのびてしまった。……と思う間もなく、また次の新手が三つ、ツイとこちらへ流れて来る。
顎十郎は手をうって、
「これは面白くなった、ひとつ、手前もこの合戦にくわわりましょう」
と言って、凧糸をあやつって烏凧を金座の上のほうへむけてやる。
ところが、どういうものか、とんび凧は顎十郎の凧を相手にしない。