Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.040 caratteri · 26 schermate
とても今日じゅうには埓があきますまい。……畝川の枝々、乗っこみのあたり場には、わたくしに少々心得があります。はたして利根すじにおるものなら、段々に川すじに追いこんで、どんなことがあっても明日の夜あけまでには引っつれて戻るつもりでございます。……くどいようですが、わたくしももう必死。……この一期をはずしちゃア、死にきれません。たとえ草の根をわけても……」
それから、半刻のち、まだ暮れ切らぬ大橋の上を、先がけの声もけたたましく、流星のように東へ飛ぶ早駕籠一挺。
折蘆
いちめんの枯蘆原。
水杭の根に薄氷がからみ、折蘆のあいだで、チチと鋭い千鳥の声がきこえる。
小松川と中川にかこまれた平井の洲。川のむこうはもう葛飾で、ゆるい起伏の上に、四ツ木、立石、小菅などの村々が指呼される。
ようやく東が白んだばかりで、低い藁屋から寒そうな朝餐の煙が二すじ三すじ。
欠けこんで、すこし淀みになった川岸の枯蘆の中にしゃがんで、釣糸をたれている三十三四の武士くずれ。馬鹿げた長い顎をつンのばして、うっそりと浮木を眺めている。垢染んだ黒羽二重の袷に冷めし草履。釣をするなんて恰好じゃない。