Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぜ

風

壺井 栄

Leggi 風 (かぜ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.702 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

若い身空で、短気をおこしなさんなってね。困ったときには、いつでもいらっしゃいって、名刺もくれたのよ。天理教の信者だって。」

彼女は得意になった。

二階家に移ってからの扶佐子は、よく茂緒の着物を借りにきた。小さなからだのくせに、大がらな茂緒の着物を上手に着こなして、彼女は、彼女の些細な原稿を売りに出かけるのだった。無名の詩人の詩や童話は売れないことの方がもちろん多く、それでも彼女はがっかりすることを知らなかった。

「ちょっと、赤いバラの帯かしてね。二三日かせいできます。」

化粧道具だけをもって彼女は出かける。どこかの繁華街のカフェかレストランへゆくのだ。いつもより楽しげに鼻唄など歌いながら、茂緒の鏡台で化粧していったりする。そんなとき、Nの機嫌は、きまって悪かった。そのためにも、彼女は出かけねばならなかったらしい。Nは扶佐子の心配など無視して、気むずかしく眉をよせ、修造のところへもこない。修造もまた、仕事で留守だったりした。

あるとき茂緒は、二階の窓べ近くで解きものをしていた。年とった修造の母が、家のものにないしょで、自分の銘仙がすりの着物を修造のに縫いなおしてくれとて、包みにしてよこしたのを解いていたのだった。