Classici giapponesi con furigana
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かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Leggi 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.458 caratteri · 39 schermate
出て見ると、小屋の隅に、頭を垂れた若い女が案の定立っていて、少しはなれたところに腕組みの男がいる。
誰だか知らないが、来た者はお入り、と云うアイヌ振りの挨拶をして、中に入って待つ。未だ来ない。入りもしないで、相変らず喋っている。喋ること、喋ること、声の高さは変らないが、素敵な早口で、男が喋る。女が喋る。そして、終いには、両方がごっちゃになって何か云う。
余り人を馬鹿にしていると思ったイレンカトムが、少し腹を立てて、
「お入りと云ったら、どうして入らないのか?」
と、アイヌ語で云いながら、もう一遍戸口に出て見ると……これはどうしたことだ、今の今まで声のした二人は、もうどこへか隠れて、後影も見えはしない。
はて! これはどういうことだ?
彼も少なからず不審に思った。
いろいろ考えて見ても、どうしても、若い男と女とを見たのは確かである。女が紫色の小帯をしめて、重ねた上の方のどの指かに、白い指環のあったのさえ見たのだから……
その日は、それなり、妙なこともあるものだですんでしまった。
ところが、それはその日だけでは済なかった。翌日もその翌日も、彼は声を聞く。