Classici giapponesi con furigana
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ガドルフのゆり
風の又三郎
Leggi 風の又三郎 (ガドルフのゆり) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.150 caratteri · 48 schermate
けれども亮二はもうそっちへは行かないで、ひとり田圃の中のほの白い路を、急いで家の方へ帰りました。早くお爺さんに山男の話を聞かせたかったのです。ぼんやりしたすばるの星がもうよほど高くのぼっていました。
家に帰って、厩の前から入って行きますと、お爺さんはたった一人、いろりに火を焚いて枝豆をゆでていましたので、亮二は急いでその向う側に座って、さっきのことをみんな話しました。お爺さんははじめはだまって亮二の顔を見ながら聞いていましたが、おしまいとうとう笑い出してしまいました。
「ははあ、そいつは山男だ。山男というものは、ごく正直なもんだ。おれも霧のふかい時、度々山で遭ったことがある。しかし山男が祭を見に来たことは今度はじめてだろう。はっはっは。いや、いままでも来ていても見附からなかったのかな」
「おじいさん、山男は山で何をしているのだろう」
「そうさ、木の枝で狐わなをこさえたりしてるそうだ。こういう太い木を一本、ずうっと曲げて、それをもう一本の枝でやっと押えておいて、その先へ魚などぶら下げて、狐だの熊だの取りに来ると、枝にあたってばちんとはねかえって殺すようにしかけたりしているそうだ」