Classici giapponesi con furigana
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ガドルフのゆり
風の又三郎
Leggi 風の又三郎 (ガドルフのゆり) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.150 caratteri · 48 schermate
風があっちへ行くな行くなと思いながらそろそろと小十郎は後退りした。くろもじの木の匂が月のあかりといっしょにすうっとさした。
ところがこの豪儀な小十郎がまちへ熊の皮と胆を売りに行くときのみじめさといったら全く気の毒だった。
町の中ほどに大きな荒物屋があって笊だの砂糖だの砥石だの金天狗やカメレオン印の煙草だのそれから硝子の蠅とりまでならべていたのだ。小十郎が山のように毛皮をしょってそこのしきいを一足またぐと店では又来たかというようにうすわらっているのだった。店の次の間に大きな唐金の火鉢を出して主人がどっかり座っていた。
「旦那さん、先ころはどうもありがどうごあんした」
あの山では主のような小十郎は毛皮の荷物を横におろして叮ねいに敷板に手をついて言うのだった。
「はあ、どうも、今日は何のご用です」
「熊の皮また少し持って来たます」
「熊の皮か。この前のもまだあのまましまってあるし今日ぁまんついいます」
「旦那さん、そう言わなぃでどうか買って呉んなさぃ。安くてもいいます」
「なんぼ安くても要らなぃます」主人は落ち着きはらってきせるをたんたんとてのひらへたたくのだ、あの豪気な山の中の主の小十郎はこう言われるたびにもうまるで心配そうに顔をしかめた。