Classici giapponesi con furigana
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ふうぞくじひょう
風俗時評
豊島 与志雄
Leggi 風俗時評 (ふうぞくじひょう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.275 caratteri · 23 schermate
実際、帝都の有様は平常とさほど変ってはいない。だがそれかといって、徹底的な灯火管制でもやれというのか。酒や煙草を全廃せよとでもいうのか。全部下駄ばきにでもなれというのか。常住不断に深刻な顔をでもせよというのか。
帝都の有様は、事変下にあっても悠然としている方がよかろう。考えてみれば、大都市にあっては、直接の銃後の勤めなるものが存在し難い。如何に精神を緊張さしても、各自の日常の仕事に精励する以外、直接には、消費面の節約以外に為すべきことが見出し難い。農村にあっては、出征者が最も強力な勤労者であり、出征者のある家の仕事を、皆で相寄って為してやるのを第一として、さまざまの直接な勤めが見出される。然るに大都市では、オフィスの勤務など屋内的なことばかりで、それも補充人員には不足はなく、為すべき仕事が見出し難いのである。而も軍需工業の濡いは都会に氾濫して、花柳界は賑い、箱根や熱海の旅館は満員とくる。
帝都で直接的な仕事を最も持たない青年学生が、休暇の間に地方農村に散らばって、そこで何を感得して戻ってくるか、そしてそれがどういう風に帝都の空気に影響するか、或は何等の影響をも与えないほど無力であるか、これこそ問題にしてよかろう。