Classici giapponesi con furigana
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しょくま
食魔
岡本 かの子
Leggi 食魔 (しょくま) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.911 caratteri · 74 schermate
それは乙女の娘生のこころを玉に凝らしたかのよう、ぶよぶよ透けるが中にいささか青春の潤みに澱んでいる。それは和食の鯛の眼肉の羮にでも当る料理なのであろうか。老人は恭しく一礼して数歩退いて控えた。いかに満足に客がこの天の美漿を啜い取るか、成功を祈るかのよう敬虔に控えている。もちろん料理は精製されてある。サービスは満点である。以下デザートを終えるまでのコースにも、何一つ不足と思えるものもなく、いわゆる善尽し、美尽しで、感嘆の中に食事を終えたことである。
「しかしそれでいて、私どもにはあとで、嘗めこくられて、扱い廻されたという、後口に少し嫌なものが残されました。」
「面と向って、お褒めするのも気まりが悪うございますから、あんまり申しませんが、そういっちゃ何ですが、今日の御料理には、ちぐはぐのところがございますけれど、まことというものが徹しているような気がいたしました。」
意表な批評が夫人の口から次々に出て来るものである。料理に向ってまことなぞという言葉を使ったのを鼈四郎は嘗て聞いたことはない。そして、まこと、まごころ、こういうものは彼が生れや、生い立ちによる拗ねた心からその呼名さえ耳にすることに反感を持って来た。