Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くびがおちたはなし

首が落ちた話

芥川 竜之介

Leggi 首が落ちた話 (くびがおちたはなし) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7634 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

何小二はもう一度歎息して、それから急に唇をふるわせて、最後にだんだん眼をつぶって行った。

下

日清両国の間の和が媾ぜられてから、一年ばかりたった、ある早春の午前である。北京にある日本公使館内の一室では、公使館附武官の木村陸軍少佐と、折から官命で内地から視察に来た農商務省技師の山川理学士とが、一つテエブルを囲みながら、一碗の珈琲と一本の葉巻とに忙しさを忘れて、のどかな雑談に耽っていた。早春とは云いながら、大きなカミンに火が焚いてあるので、室の中はどうかすると汗がにじむほど暖い。そこへテエブルの上へのせた鉢植えの紅梅が時々支那めいた匂を送って来る。

二人の間の話題は、しばらく西太后で持ち切っていたが、やがてそれが一転して日清戦争当時の追憶になると、木村少佐は何を思ったか急に立ち上って、室の隅に置いてあった神州日報の綴じこみを、こっちのテエブルへ持って来た。そうして、その中の一枚を山川技師の眼の前へひろげると、指である箇所をさしながら、読み給えと云う眼つきをした。それがあまり唐突だったので、技師はちょいと驚いたが、相手の少佐が軍人に似合わない、洒脱な人間だと云う事は日頃からよく心得ている。